あなたのねこさん、爪切りしてますか?/ねこのおうちケア#02
あなたのおうちのねこさんは爪切りをさせてくれますか?編集部でも、爪切りが大好きなねこだったらどんなにいいだろう…の話題は数知れず。ということで、「ねこさんが怒れば怒るほどかわいく見えてしまう」という、超ド級のねこ変態を自認する『猫の診療室モモ』院長の谷口史奈先生に、上手に爪切りを行う極意を伝授していただきます!
ねこの爪切りはなぜ必要?
家の中で、剥がれ落ちた爪の”殻”が落ちているのを見かけることはありませんか?ねこの爪は筒状で何層にもなっています。まるで甲殻類が脱皮するかのように古い爪が取れて、下から鋭く尖った新しい爪が現れます。ねこは爪とぎをすることで、古い爪を剥がしているのです。ときどき、古い爪を歯で噛んで引っ張っていることもあるので、よく観察してみてください。というわけで、ねこの爪はある程度の長さ以上は伸びません。
ではなぜ、爪切りが必要なのでしょうか?それは、尖った爪がカーテンなどの布製品に引っ掛かるのを防止したり、人や同居するねこなどのケガを防止したりするためです。また、老猫になってくると爪とぎをサボったり、関節の痛みにより爪が研ぎづらくなったりします。さらに新陳代謝の低下や内臓疾患などによって太く分厚い爪になり、剥がれにくくなったりします。そうなると「巻き爪」となり、肉球に刺さってしまうこともあります。
ちなみにスコティッシュフォールドやマンチカンなどでは、爪とぎがうまくできなかったり、生まれながらに関節が悪かったりして、若くても巻き爪になる子もいます。
ねこの爪切りに適した道具は?
人間用の爪切りでも切れるのですが、切るときに爪が潰れ、割れてしまうことが多いので、できれば専用の爪切りをおすすめします。
ギロチンタイプ
動物病院ではこの「ギロチンタイプ」を使います。真ん中の穴に爪を通してスライスするようにカットするので切断面がきれいに仕上がります。
ハサミタイプ
家庭で多く使われているのはこのタイプでしょう。お値段も手頃です。
爪を切るときの保定の仕方は?
STEP 1
ねこさんをテーブルなどの上に乗せて、抱きかかえるように保定します。このとき、頭側の腕は「利き手と反対の腕」(谷口先生は左利きなので写真では右腕)を使います。腕をねこさんのあご下に入れると頭を固定できます。腰回りと手足は利き手で軽くホールドしてください。
STEP 2
あご下に差し込んだ方の手で前足をつかみ、胴体をホールドしていた利き手で爪切りを持ちます。
STEP 3
指で肉球をサンドするように押すと、ニョキっと爪が現れます。ピンクのところは血管があるので、先端の透明なところを切ります。
膝に乗せて切る方法
おもむろにあぐらをかいた谷口先生。「あぐらの方がねこが安定するんです」。なるほど!
完成!
爪切りを全力で嫌がるねこさんの場合は、全部いっぺんに切ろうとせず、今日は1本、明日は2本など、機嫌を損ねない範囲で少しずつやってみましょう。洗濯ネットに入れて、ネットの隙間から爪を出したり、体はネットに入れたまま、手足を1本ずつネットから出して切る方法も有効です。1本切ってはおやつを少し…というご褒美作戦も効果的ですよ!
(協力/猫の診療室モモ)